子育て世代の動線を考えた家・上棟!
上棟とは、棟(屋根で最も高い部分にある構造部材)を上げる、つまり家の主な構造部が形になった事を意味します。これを建前(たてまえ)といい、大工さんが集まり一挙に家を形にしていく様は、やはり家づくりの一つの節目と言えるでしょう。
建前にかかる前に、足場を立てシートで囲います。完全には防げなくとも、周囲の家にかかる迷惑は少なくしなければ。
まず1階の柱を立て並べていきます。
柱の上に梁(はり)を載せ、叩き込んで接合します。仕口がかっちり噛み合っていれば、外力が加わってもそこから折れる危険性は少なくなります。
建物の角など、要所となる部分には1階と2階を貫通して建っている柱があります(通し柱といいます)ここは梁を載せるのでなく、横から差し込む形になります。
梁は断面積が大きく重たいのと、水平方向に設置しなければならないので、クレーンに吊り上げてもらいます。
2階の床を支える梁(床梁といいます)が組み上がりました。見えづらいですが補強の金物を入れていっている所です。この床梁は1階の天井仕上げを吊り下げる役割もします。
例えばこんな風に、ボルトが貫通して柱・梁や梁同士を緊結固定しています。
2階に上がる前に、1階部分で柱の垂直を確認します。柱の垂直が悪いと、建物が傾いてしまいます
これはその調整の様子です。
ここから2階、床下地の合板を貼っていきます。
同じ要領で2階の柱を立て、梁を載せていきます。
2階の上側が組み上がりました、この上に小屋組(屋根勾配部分の構造)を建てていきます。
小屋組も同じ要領ですが、ここからはもう柱と呼ばず、束(つか)と呼びます。束を建て、母屋(梁のうち、屋根を直接支えるもの)を載せて叩き込み接合します。
小屋組部分の水平垂直を決めるため「雲筋交い」を斜めに固定していきます。
ここから上は屋根が乗るだけで荷重が小さいので、金物はこれまでのようなボルト締めでなく、カスガイを使います。「子はかすがい」の「かすがい」です。(写真、囲みの部分)
小屋組の上には垂木(たるき)を打ち付けます。この家は奥行き方向に勾配がついた屋根になります。
垂木は屋根を支えると同時に、下から吹き上げる風の力に耐えなければなりません。ここも金物で補強します。
垂木の上に、屋根材の下地となる合板を釘打ちしていき、建前は完了!上棟という言葉は棟を据えるところまでを意味しますが、雨に降られる事を考えて建前の日に屋根下地合板まで貼ってしまう事も多いです。今回上棟式は行いませんが、そのあたりは施主様のご意向によります。昔はともかく、現在はされない方も多いですよ。