『古民家再生住宅』高槻市Y様邸 ”完成”

古民家再生Y様邸 外観
大阪府高槻市に施工した古民家再生住宅。
図面作成の段階でいろいろな意見が飛び交い、着工までにかなりの時間が掛かりましたが、施主さんの希望を随所に再現した満足度の高い住宅に仕上がりました。
『建替えではなくリフォームをする』ことで、柱の傷、壁の傷、今までの生活の思い出を残した建物になっています。



梁の見える玄関


<現場監督:篠原>
玄関は吹き抜けにし、梁や母屋を紅柄(ベニガラ)で仕上げました。
<荒木>
リビングで十分な吹き抜けが出来なかったので、思い切って玄関にしました。
開放感のある明るい玄関になりました。

<現場監督:篠原>
玄関からの高さを考え、式台にして、2段にしました。採光を考え、玄関ドアはランマ付き、西面にFIXサッシを付けました。FIXサッシは採光重視の為、面格子はつけず、ガラスをワイヤー入りにしました。
<荒木>
2段の高さは本当ならば解消したかったのですが、構造上どうしても今回はとる事が出来ませんでした。
バリアフリーにするため、すべての高さを和室に合わせなければいけませんでした。
この場所は将来的に、おばあちゃんの状態を見ながら・・・と言うことになりました。
FIXサッシは、お勧めしていませんでした。『面格子は付けたくない!』との事だったので、防犯上心配でした。ワイヤー入りと言ってもあまり意味が無いようなので・・・
でも、『内側から考えます』とお施主様。 何かあればすぐ言ってくださいね!

昔の梁が顔を出したリビング


<現場監督:篠原>
工事中一番悩んだリビングです。解体したら、地松の丸太が出てきて、お客様から、丸太を化粧で見せたいと要望があり、大工さんと悩みました。天井には、ダウンライトや照明もあり、一番難しい所でしたが、一番の見せ場になりました。
<荒木>
ほんとに大変でしたね〜
でも、予想通りの丸太が出てきてうれしかったです。そして、それをいかに見せるか・・・
出来るだけ天井を高くし、でも『いかにも古民家再生』にならなようイメージしました。
照明も堤燈型などの話もありましたが、すっきり見せたかったのでダウンライトにしました。

<現場監督:篠原>
キッチンのカウンターです。リビング側にコンセントを設置したのに、家具で隠れました。仕方なく家具に穴を開け、設置しました。
<荒木>
そうそう、手間を取らせたね・・・
でも、せっかく付けたんなら家具を置いても使えるようにしなければ!
助かりました・・・
この家具を造っていただいたのは、造り付け家具などをたくさん造っている『キシモト』です。

昔からの続きの和室


<現場監督:篠原>
昔ながらの続き間です。縁側には雪見障子があります。和室は襖、障子の張替え、畳の表替え、壁クロス工事をしました。この広さがあったら落ち着きます。
<荒木>
雪見障子は風情があって良いですね!
なかなか雪は見れませんが・・・・
この辺りは、まだまだ大きなお家が多く、町内の集まりや親戚など、事があると自宅に集合するそうです。そのため、続き間は必要でした。

<現場監督:篠原>
和室の西面です。立派な仏壇があります。工事中は仏様を抜いてもらい、工事を進めました。物入れの上に、埋め込みのクーラーを設置しました。吹き出し口もベージュで和風にしました。
<荒木>
この部屋は、換気扇も取り付けました。
行事で人が集まった時に、使うそうです。広いリビングなどにもあると便利ですね。

自慢の縁側


<現場監督:篠原>
広い縁側です。付いてるサッシも木の引き戸、外部の雨戸も木で出来ています。当初は雨戸だけアルミに変える案もあったのですが、今では手に入りにくい材料を使っているので、雨戸の戸車の入替えと調整をして、残しました。
<荒木>
ほんとにステキな縁側ですね〜設計の段階から是非このまま残そう!とみんな意見が一致しました。
木製建具もいい感じです。

おばあちゃんの部屋


<現場担当:篠原>
部屋に手洗いを付けました。おばあちゃんがなるべく部屋の中で動けるように提案しました。手洗いの高さも低めに設定して、小物収納を左の壁に埋め込みました。
<荒木>
この手洗いは、おばあちゃんに大好評やね!
おばあちゃんが、夜中わざわざ洗面所まで行かなくてもすみます。
でも、おばあちゃんの洗面所として孤立しないように、メインは広い洗面所を使って欲しいですね。
それを思うと、う〜ん・・・悩むね〜?
<現場監督:篠原>
完成見学会では好評でした。でも広い洗面所を使ってほしいけど、部屋に洗面があるのは理想ですよ。特に今回は、物入れの横のデットスペースに納めることができ、使いやすい部屋になりました。

<現場担当:篠原>
テレビ台と冷蔵庫置き場。テレビと冷蔵庫を部屋に置くので、個々に棚を付けると場所を取るので、両方が設置出来るように、現場の寸法に合わせて、積層で大工さんに作ってもらいました。
<荒木>
これも好評!
が、しか〜し!!もっと計算しとけば良かったね・・・冷蔵庫の裏にコンセント位置が微妙に重なる。
もう少しやったね。
<現場監督:篠原>
コンセントの位置までは計算外でした。よく考えたらそうですよね、冷蔵庫置きとして作ったから、コンセントは真ん中じゃなく、サイドに持っていくべきですよね。

広いトイレに蛍のいる廊下


<現場担当:篠原>
トイレは最初から1坪(畳2帖分)とりました、自動開閉がついたタイプの手すり付きタンクレスです。サッシは高めに付けて、手洗いや棚が置けるように考えました。
<荒木>
おばあちゃんが車イスになっても大丈夫なように広くしました。
トイレの横に、多目的の手洗いを付ける話もあったよね。靴洗ったり、花を水切りしたり・・・
でも、今後の予定と言う事で今回は付けませんでした。
<現場監督:篠原>
トイレの横のスペースは、今後ゆっくり考えるそうです。電話があればすぐに走って打ち合わせをしたいと思います。

<現場担当:篠原>
廊下の幅木(床と壁の取り合い)には蛍幅木を付けました。夜になるとセンサーが働き、電気が付きます。夜トイレに行くときに便利です。わざわざ廊下の電気を付けずに行けます。
<荒木>
ホタルはいいね。おばあちゃんが廊下の電気スイッチを探す時や、暗い部屋からいきなり明るい所へ出る危険も抑えれるもんね。
結構、簡単に付けれるんやね?
<現場監督:篠原>
そうですね、100Vの電源さえあれば、すぐに取り付けできます。ただ電源は壁の中でいるので、リフォームだと壁をめくっての工事になります。

広く使える子供部屋


<現場担当:篠原>
子供部屋の西面です。図面の打ち合わせでは、引き違いサッシを入れる予定でしたが、見えてる柱がどうしても抜けず、上げ下げ窓を入れて、積層のカウンターを付けました。両サイドには、クローゼットを設置しました。既存にあった屋根裏収納にも、収納タイプのハシゴを設置しました。
<荒木>
以前はこの部屋が一番暗く、湿気た感じでしたが見事に明るくなりましたね。
抜けなかった柱が逆に雰囲気を出していて・・・
2人のお子様がケンカしないように、窓も2つ、クローゼットも2つ。
<現場監督:篠原>
そうですね、この部屋の北側にもう一部屋あり、暗く、湿気た部屋でした。でも北側の部屋を解体して、西側にサッシを付けるだけで、全然違う部屋になりました。

<現場担当:篠原>
子供部屋と和室が続き間になっている。図面では壁になっていたので、壁下地を作った時に、ご主人が”襖で続き間になると思っていた”この一言で変更をして、4枚の戸襖をいれました。
<荒木>
そうそう!ここね〜。
あの時は、ご主人が攻められて・・・『ここは絶対戸襖やー!!』と・・・・・
正直、こちらも困りましたが、説明不足やったのかな・・と急遽変更!
大工さんもブツブツ言いましたが、何とかおさめたね。
<現場監督:篠原>
本当にあの時はビックリしました。まさか子供部屋と和室を続き間にするなんて、でも竣工して、訪問すると、子供がアンパンマンの車に乗り、行ったり来たり、続き間にして正解でした。

<現場担当:篠原>
屋根裏収納です。既存は土壁だったのですが、今回ベニヤを化粧で貼りました。ここでも地松の丸太が見えています。
<荒木>
ここは特には言わなかったけど、あせったよ!
最後の最後まで、何にもしてないし、古〜い荷物は少し残ってるし・・・・・
計画やったん?
<現場監督:篠原>
計画ちゃいます。ほんまに忘れてました。すいません
<荒木>
げっ!!マジで!頼むで!
工期があったから良かったものの、確実にこなしていかないと!
(これをご覧のお客様、ほんとは大丈夫です!安心してください!  トホホ・・・)

主寝室の大きなクローゼット



<現場担当:篠原>
図面の打ち合わせから悩まれていました、ウォークインクローゼットです。使い方を考え、主寝室からのみ出入りできるようにしました。社長からの途中変更でサッシが追加になりました。棚板の配置も、入れる物を考え、奥行き、高さを決めました。
<荒木>
ここも、何回も変更になったね〜
奥様から、洋服を掛ける様にパイプの提案などもあったね。でもあえてお勧めしませんでした。
具体的に、何を入れると言うのが無かったので、大きな物でもすぐに入れれるよう何も付けない。
窓下の棚板だけを付けました。
奥様のご要望でよくホームセンターなどで売っている、衣装ケースがのる出幅にしました。
サッシは、監督としたら予定外で『ゲッ・・・・・・・』って感じでしたが、『まったく明かりが無いのは嫌やから窓付けて!』『ほんでもって、収納や防犯上、上の方にフィックスで!』・・・・・・・・・・
でも、どう?いい感じ?やろ?
<現場監督:篠原>
変更でサッシが追加になったときは、もう遅いやんと言いたかったけど、結果はお客様からの一言で解決、付けてよかったなあと思いました。どうしても現場の考え方は、物入れにサッシを付けるという発想がありませんが、今回付けてみての結果、次からは提案しようと勉強になりました。

外壁の色



<現場担当:篠原>
外壁の色は、悩みました。瓦は日本瓦のいぶし銀、サッシはアルミサッシにシャッターつきで、和風か洋風か。家の顔といえば、やっぱり玄関、玄関ドアは引き違いサッシ、横には、広縁の木の雨戸、和風で決定しました。ちょっと明るいレモン色を採用しました。
<荒木>
外壁は、はじめ『ヒヤッ・・・』としましたね。
明るすぎたかな〜と思っていましたが、実際足場が全部取れて全体的な雰囲気を見たらサッシ等とのコントラストも良くいい感じ?と納得。
玄関ドアは、いかにも『和』とならないように、奥様と決定しました。
<現場監督:篠原>
いやー最初は僕もあれっと思いました。現場で見本とにらめっこをしながら、お客様と決めた色だったのに、明るすぎたかな、、、、いやいや足場を外して全体的に見ると、サッシや瓦によくあっていました。

ご主人ご希望の掘りごたつ


<現場担当:篠原>
リビングに、掘コタツがほしい、この一言を言ったのが、ご主人でした。それまでは、奥様だけが打ち合わせに参加をしていました。でもここだけは譲れず、『堀コタツは絶対、付けてほしい』と要望があり、設置しました。
<荒木>
ほんと、唯一のご主人のご要望でしたね。他のほとんどは、奥様の使いやすいように・・・と奥様の希望がほとんどでした。優しいご主人です・・・
でも、ここも大工泣かせだったはず・・・・・初めはリビングのド真ん中に希望されていましたが、女性陣からの大ブーイングで・・・・・・
篠原にしたらご主人唯一の希望だから何とか『真ん中でも・・・・』と男同士対抗していましたが、
『ダメ〜〜』『せっかくの床暖房は広く!』に押しつぶされ・・・・・・・
でも、結果良かったよね?!
<現場担当者:篠原>
そうですね、床暖も広くして、リビングの使い勝手を考えると良かったと思います。いいですよね、広いリビングだから出来る、床暖房と堀コタツ、理想ですよ。